この寮では毎朝7時に点呼があり、1回生、2回生、3回生、4回生ときちんと並び「番号!」「1」「2」「3」〜「1回生15名異常なし!」といった感じで毎朝やっていた。もちろん先輩方を起こすのは1回生の仕事だ。




恐怖の錦江学生寮  その4 下チャン危機一髪!

鹿児島経済大学 社会学部 産業社会学科

これが俺の大学、および学科だ。

そこで特待生の下原口君と友達で、おなじ少林寺拳法部に所属していた。

テスト前などはよくお世話になったよ。

この下原口(通称下チャン)はキャラ的には、むっつりした坂本ちゃんというか、おとなしい空手家矢部といったような男で、まじめで気弱で、清楚とした男だった。(酒、たばこ、ギャンブル、女、一切無縁!)

ある日の飲み方で特攻隊長が親分にこの下ちゃんの話をしたところ(隊長も少林寺拳法部だったのでよく知っていた)、さっそく「連れてこんかい!」が始まった。親分は変わった男が無性に好きなのだ。いや、好きと言うより、からかって酒の肴にしたいのだ。

翌日、隊長が嫌がる下チャンを無理やり誘い、飲み方に連れてきた。

緊張する下チャン。

飲めないお酒を極悪チームから無理やり飲まされる。

つたない話題で、からかって笑う親分。

宴もたけなわ、下チャンも相当酔ってきた。

そこで親分ついに本題に入る!

「のう下原口、わしも来年卒業じゃ。そろそろ就職活動をせんといかんとくさ、(親分は福岡出身だった)

そいでの、こん背中のもんもんを消さんといかんとたい。

わいが皮膚を俺にくれんかの。」

「え」

「移植すっとたい」

「は」

「皮だけやけん、たいしたことなかろ」

「ひ」

「こいどんは(俺達のこと)血液型があわんとたい」

「も」

「わいがB型ていうけん、今日呼んだったい」

「び」

「皮を見せんみい」

無理やり下ちゃんの上半身をぬがせ、皮の下見をする親分。

「えー皮じゃのう、こいならよかぞ。」

そして、やおらマジックを手にすると、「こっからここまでおいがとばい」と背中に線を引き出した。

そのとき、下ちゃんの体がぶるぶる震えだした。(よっぽど怖かったのね)

「か、か、皮をはがれたら、ぼ、ぼ、僕はどうなるんですか?」

「しらん」

「また誰かんともらえ」

「!」

「病院予約しとくけんの」

「来月手術するけんの!」

もう下ちゃん口が開いたまま言葉が出ない。(親分至福の時である)

「まあ飲め!」

「下原口、名誉なことじゃのう。まあ飲め!」と特攻隊長

「皮はまた生えてくるが」と訳のわからない得意の三角理論を展開する鶴田さん。

「うん、うん」と頷く岩下。

かわいそうだから「全部冗談じゃが」と言ってやりたいが言えないわし。

石田は黙々とおでん食ってたよ、、、、。

薦められるままやけ飲みする下チャン。

ついに、寝ちゃったよ、、、。

しかも、なんか寝言いいながら、ときどき体がビクッビクッと動く。(皮はがれる夢見てるみたいだった)

そのチャンスを親分が逃すはずはない。

ブーンとなる髭剃り機を下チャンの耳にあて、

「下原口、今から皮はぐぞ」「ブーン」

「やめて、やめて下さいー」寝ながら泣いている。

笑う親分、もう面白くてたまらない。

「おらおら」「ブーン」

「あーあー」寝ながら激しく体を動かし、暴れる下チャン。


結局、朝方近くまで下チャンで遊んだ親分たちは、大満足のようだった。

それから、何回か寮に呼ばれた下ちゃんは、2年の時には特待生から外れちゃったよ。

ごめんね、下チャン


更に続く