炭塩仕込   第9回全国水産加工品総合品質審査会
(タンエンジコミ)     全水加工連会長賞受賞   



炭塩仕込とは炭のパワーを利用して魚の旨みを最大限に引き出し、
なおかつ魚独特の臭みを消去する製法です。

開発秘話
 うちの娘のチー子(ちあき)が4歳ぐらいのときでしたか。

アジの開きとか

腸のついていない魚はよく食べるのですが、

丸干しは苦いと言って食べないんですね。

この苦いところがおいしいんじゃがと言っても

まだ4歳の子にはやはりちょっと無理ですよね。

そこで

どうしたら

子供が食べる丸干しが出来るじゃろうかといろいろ考えてみました。

最初に試したのは魚の頭と腸を取って、醤油に漬け込み片栗粉をまぶした丸干しで、油で揚げると確かにおいしいんですが干物じゃないんですよね(笑)。

 やはり、ひもの店というからには干物じゃないと、

次に砂糖と塩水を混ぜたものに漬け込んだり、、、

なんたり、かんたりしても丸干で臭みがなく、化学添加物を使わずにおいしくするのはむずかしいなぁと思っていた所、

たまたま本屋で木炭に関する本を見つけまして、

これは使えるんじゃないかと試したところ、臭み取りにはかなり効果があり、後味もくどくなく、さっぱりと仕上がりました。

何か気分的にはふんわりとした食感があります。

今ではチー子も丸干しを食べるようになりました。





零温熟成      第10回全国水産加工品総合品質審査会
(レイオンジュクセイ)        全水加工連会長賞受賞





一昼夜、またはニ昼夜塩水に漬け込み、魚から余分な水分をだし、塩をゆっくりと浸透させ、魚全体の塩分を均一に仕上げる製法。塩水を〇℃に設定する事で、鮮度を損なわず、魚本来の旨みを引き出す。



開発秘話
 ある日、アジの開きを食べていたんですが、

ふと昔、

そう子供のころのことを思い出しまして、

どんなことかと言いますと、

私のいとこに大阪の猛君という子がいまして、

歳が同じということもあり夏休みはよく遊びに来ていたんです。

その子の大好物がアジの開きだったんですね。

私などはそう珍しい食べ物ではないので、朝食にでると「またアジの開きかぁ〜」ぐらいにしか思わなかったのですが、

この子が「美味い!美味い!」と感動して食べている姿をみると、「やっぱりおいしいなぁ」とあらためて見直す。

という具合で、その子が来るたびにアジの開きを見直したのを覚えています。

でも、そのとき食べたアジの開きと、

今私が食べているアジの開きは味が違うんです。

なんだろうと思ってよくよく考えてみると、

塩漬けの方法が昔とはまったく違うんですね。

昔は塩水に一晩漬け込んでいたのを思い出しました。

今は30分〜1時間しか漬け込みません。

つまり、

長く漬け込むことによって魚体の余分な水分を出しきり、

旨み成分が増していたのです。

その代わり塩分は強くなります。

昔はそれでよかったのですが、今は減塩時代、辛いものは売れません。

 どうしたらあのときの味が出せるかなーといろいろ試しているときに「氷温」に出会いまして、

これはいいと思ってさっそく勉強し、氷温研究所に行ってみました。

確かに良いので会員になって名前を使わしてもらおうと思ったのですが、

いかんせん先立つものがなく、ちょっと違う名前にしました。(氷温研究所の方々ごめんなさい)

 この製法の良い点は、細胞の劣化がない状態で、目的としていた魚体の余分な水分を出し切り、なおかつ低い塩分でまろやかに仕上げることが出来ます。鮮度のしっかりしたものであれば、2〜3日漬け込んだほうが,旨みがさらに増します。(通常は1日漬け込みます)

 具体的には、魚を裁断したあと、塩分濃度3℃位で、水温〇℃の塩水に漬け込み、〇℃に設定した冷蔵庫に一昼夜、寝かせます。

その時、冷蔵庫内に鳥羽一郎の演歌が高らかに鳴っているということは残念ながらありません。

ただ、じっとお眠りいただき乾燥されるのを待っているのです。

乾燥から凍結は通常の仕様です。

                                     



                        

 



                               

              

あっさりみりん



あっさりみりん  第11回全国水産加工品総合品質審査会
(アッサリミリン)          東京都知事賞受賞    


白身の魚、脂分の少ない魚は当店通常のみりん製法では味が濃すぎますので、薄味に仕上げます。

開発秘話

 時は平成12年、魚の漁獲が目に見えて減ってきました。

当店一番の売れ筋商品「アジのみりん干」も原材料不足の大波に呑み込まれていきます。

それまでは脂の乗ったアジしか使わなかったのですが、

そうはいっていられなくなりました。

あまり脂のないアジでも使用しないと企業存続の大ピンチです。

最初に外国産原料によだれがでましたが、

島国ニッポン、4つの大海に囲まれ

豊富な海洋資源に恵まれた私たちが、

何でわざわざ地球の裏側の海で獲れた魚を食べにゃいかんのでしょうか?

それに、日本の業者がノルウエー等の魚を買い占めることによって、中近東の比較的貧しい国には魚が回らなくなったと聞きます。

しかも日本人、全部食べればまだいいのですが、食べ残したり、捨てたりする量も半端ではありません。

これではいつかばちがあたります。

脂のない魚の干物でも工夫次第で必ずおいしくなるはずです。

 しかし、これまでの濃い味付けではおいしくない。

基本から製法を変えなくては、、、。

またまた考えモードに突入しますが、

今度ばかりはなかなかよいアイデァが浮かびません。

次に旨み剤に手が伸びかけました。

これは単純に言えば魚の旨み成分を科学的に調合し、

魚に含ませおいしくする薬品ですが、

それではまさに食品ではなく、商品ですね、

これは子供に食べさせたくないのでやめました。

 魚のおいしさって何でしょう。

脂?鮮度?

私が今までに食べた魚で一番おいしいと思うものは?

鯛?ひらめ?ふぐ?かに?

いえいえ、

やはり朝取れたばかりで身の締まっていない青魚(特にいわし)を朝のうちに刺身にして食べるのがなによりうまいと思っています。つまりここでの結論は鮮度です。

 鮮度のよい魚を、アッサリと仕上げればうまいんじゃないかと思い鮮度重視で製造しました。


 おすすめは、やはりこの太刀魚!

 骨がないので食べやすいですよ。

     

             







ととまんま



ととまんま      宮崎県新ひむかカーニバル一般企業部門
(トトマンマ)                        金賞受賞

いわしを一度みりん干しに干しあげたものを、蒲焼風に焼き上げ、味付けしてご飯の上に乗せたお寿司です。
いわし、鰹の多い港町ならではのお寿司になりました。



開発秘話
 あれは家業をついで5年目の冬でしたか、

弟が高校野球をしていたときの後援会にNさんという人がいまして、

その人が満面に笑みを浮かべながら、

1人の初老の紳士を連れてやってきました。

話を聞くと

キチンキトサン製造の特許をとった偉い先生とのことで、その宮崎代理店を捜しに来たとのこと、、。

 「この薬は、作物にかけながら育てると成長が2倍早く、大きさも2倍になる夢のような薬品です。必ず儲かるから製造機械等をそろえて、代理店をしなさい。原料の手配から販売の手配まですべて私が段取りをつけてあげます。」

と初老の紳士のT氏、

ほー!

そんな薬品が本当にあるのかと感心しきりまくりました。

ただ、代理店になるお金などはもちろんありませんので、話は断ったのですが、親切なT氏は宮崎に来るたび当店によっていただき、いろいろ教えていただきました。

特に料理には詳しく、

銀座の老舗のうなぎやのたれの作り方ですとか、

京都の料亭の佃煮の作り方ですとか、

丁寧に無報酬で教えていただき、

まことに神様のような人で、

その人に教えていただいたのをヒントに作ったのがこの製品なんです。

 具体的には、やわらかい大型の子持ちいわしを3枚に下ろし、自家製の醤油たれに一晩じっくりと漬け込み、天日で乾燥させたあと、粉をふり、フライパンで蒲焼風に仕上げ。酢めしの上に乗せ、竹皮で包みます。

 翌年の夏、

兵庫県警から電話とのこと。

なんだろうと思って受話器を取ると

「T氏を知っていますか。」

といわれるので、「いつもおせわになっています。」と答えると

「いくらくらい渡しましたか?詐欺罪で取調べ中なのですが、お宅にも立ち寄った形跡がありますので、被害状況を教えてください。」とのこと、

お金は渡してませんでしたが、

キチンキトサン製造の特許は真っ赤な嘘で、

宮崎で代理店をしていた方たちも大損害をこうむったとのこと。


でも、なんでそんな悪い人が当店みたいなところにあそこまで世話を焼いてくれたのか?

今では聞きようもありませんが世の中って不思議です。





じゅくせいだしじこみ   第13回全国水産加工品総合品質審査会
(ジュクセイダシシコミ)       大日本水産会長賞受賞





日本料理のあじの決め手はやはりだし。魚の種類によってどんな魚にどんなだし汁
が合うのか現在も試行錯誤の研究中。おなじ魚でも煮付けに使う出し汁と干物に使
う出し汁とではやはり違います。ぜんぜん性質、つまり干す事によって味が変わって
きますので実際に食べてみないとわからないという点も多いですね。(笑)
賞はもらったけれど、まだ試行錯誤。
納得いくものが出来ましたらHPにて順次販売します。


開発秘話
究極の旨い干物を作ろうと思いまして、試行錯誤しておりましたところ、ひょんなことから日向市の椎茸問屋の本吉さんと知り合いまして、この方が自社で椎茸のエキスを作っていらっしゃるそうで早速そのエキスを使ってみました。そのエキスは椎茸の独特な臭みがなく、出し成分が非常に良く出ていました。これは使えると思い、あと、昆布、鰹節と種類の違う出し成分を混ぜ合わせ、干物に合うように出し汁を調節し、その汁に20時間以上漬け込み熟成させて、干しあげたものです。写真は平成14何度の受賞風景。このときはアジを原料としました。


本年(平成15年)、本吉さんが亡くなられ大変残念です。椎茸にかける熱い情熱のお話をもう聞く事も出来なくなりましたが、妹さんが後をお継ぎになり元気で頑張っておられるようです。 
 本吉のホームページはこちら